#6 幼少期6
虐待のイメージでよくあるのは暴力なのではないだろうか。
私の家では、私は親から暴力を振るわれることは少なかった。
代わりに、姉からの暴力を受けていた。
連鎖する暴力の話
小さなころの姉との思い出は、楽しかったものとつらかったものがある。
楽しかったのは、普通に姉として接してくれていたこと。
二人で恐怖と闘いながら手を握り合っていたこと。
日々を生きる中でお互いが支えになっていたこと。
姉がいたから私は幼い日々を生きることができていた。
でも同じくらいいじめられてもきた。
父が母をたたき、母が姉をたたき、姉が私をたたく。
被虐者は加害者に立ち向かえない。
自分より弱いものに暴力をふるうことで心を保たせるしかなかったのかもしれない。
私の家は常に被虐者と加虐者がいた。
怖さと、楽しさと。一瞬先には何が起こるのかわからない日常。
振り上げられた手は殴るためか、それともなでるためなのか。
恐怖心と家族を慕う心が入り乱れていた。